近年流行している「真空調理」。
レストランなどのメニューに「真空調理」という文字を見かける機会も増えましたが、一体どんな調理法なのでしょうか。
本記事では、真空調理法のメリット・デメリット、安全を守るための衛生管理について解説いたします。
正しい知識をつけて、真空調理された食材を安心して美味しく味わいましょう!
「真空調理」とは
真空調理とは、下処理済みの食材を調味料とともに真空包装して、温度と時間管理を行える加熱機器で袋ごと低温加熱する調理法のことをいいます。
真空調理法では、95℃以下の低温で加熱することとしています。
真空調理のメリット
①調味料が素材に染み込みやすい
真空包装することで、素材内の空気が抜け、代わりに調味料が素材に浸透しやすくなります。
真空包装後に袋内部の気圧と外部との気圧差が生じるため、肉類や煮崩れしやすい煮物などの調理に適しています。
塩分や糖分を控えた調理ができることもうれしいポイントですね。
②低温調理で食材が柔らかく仕上がる
お肉などに多く含まれるたんぱく質は、62℃から凝固をはじめ、68℃から水分が分離し始めます。これを「分水作用」といいます。
真空調理は、この分水作用が始まるよりも低い温度に管理しながら調理ができるため、食材組織の過度な収縮がなく、お肉や野菜が柔らかくジューシーに仕上がります。
③真空パックの中で調理:食材の風味や栄養素を逃さない
真空パックごと加熱するので、食材の旨みや栄養素をギュッと閉じ込めたまま調理ができます。
④素材の酸化や乾燥を防げる
加熱後に汚染された空気や手指などが直接食材に触れる機会が少ないことも、真空調理の特徴の一つ。
二次汚染の防止、素材の酸化や乾燥を防ぐことができます。
⑤時間の有効活用
温度・時間管理ができる加熱機器を使用すれば、真空調理は機器に任せて大丈夫。食材のそばを離れられない……ということもありません。
待機時間に準備をしておけるため、飲食店ではスタッフの働き方を保護する意味でも活用されています。
真空調理のデメリット
①時間がかかる
低温でじっくり調理する分、食材の中心部まで熱を通すのには長く時間がかかることはデメリットの一つです。
②導入コストがかかる
真空調理を行うには、食材を入れる真空パックや、温度・時間管理を行うための低温調理器具など、様々な機器の導入が必要となります。
また、真空パックの袋ゴミが増加するため、ゴミの処理費用がかさんでしまいます。
③焼き調理ならではの風味を出せない
真空調理法では、カリッと焼けた「香ばしさ」を出すことができません。
香ばしさの理由は、食材を155℃程度で加熱した時に発生する「メイラード反応」というもの。
たまねぎを飴色になるまで炒めた時の香ばしい旨みなどは、まさにメイラード反応によるものです。
真空調理法は95℃以下で加熱するため、この風味を出すことができません。
真空調理を終えた食材の表面を軽く焼くなど、他の調理をひと手間加えて風味を足すことで、より美味しく仕上げられるかもしれません。
④食中毒の原因を作るかもしれない
真空包装で保存した食材は、ボツリヌス食中毒の原因になる可能性があります。
これは、ボツリヌス菌が酸素がない状態を好むためです。
洗浄や温度調節など、ボツリヌス菌を増殖させない対策を徹底する必要があります。
食中毒を防ぐために:真空調理法の加熱温度と衛生管理
厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」によると、食中毒防止のための加熱条件として、肉の中心部を 75℃で 1 分間以上加熱することが必要とされています。
この「75℃、1 分」と同じくらいの加熱殺菌効果がある条件として、
- 70℃、3分
- 69℃、4分
- 68℃、5分
- 67℃、8分
- 66℃、11分
- 65℃、15分 が妥当としています。
ちなみに、牛肉のステーキの焼き加減でいちばん生の状態に近いレアは内部温度が55〜65℃。
ミディアムで65〜70℃、ウェルダンで70〜80℃です。
食中毒菌が発育しやすい温度はおよそ 20℃〜50℃といわれています。
真空調理を行う際は低温で加熱していきますが、お肉をこの温度下に長時間置くことは、病原菌の発育を促してしまうのです。
牛、豚、鶏などの肉には、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)やカンピロバクターなど、食中毒の病原菌が付着している可能性があります。
ご家庭で真空調理を行う際は、この加熱殺菌効果の条件もぜひ参考にしてみてください。
自己流のルールは避け、必ず調理機器のマニュアルに従って食材を扱うようにしましょう。
参照:厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」
真空調理で美味しさが引き立つ料理
真空調理には加熱温度や衛生管理など気をつけなければならない点もありますが、正しく調理すれば食材の美味しさをさらに引き立たせることができます!
お肉を柔らかくジューシーに仕上げる、ローストビーフのレシピをご紹介します。
家庭用の低温調理器を使用したレシピです。
■ローストビーフ[57℃で3時間加熱]
材料
- 牛肉(肩ロース肉やもも肉など) 250g(厚み2.5cm)
- 塩 2.5g
- 胡椒 適量
- オリーブオイル 大さじ1
手順
- お肉の表面に塩、胡椒を振り、耐熱袋に入れる。
冷蔵庫で一晩寝かせる。
※お肉の厚さが2.5cmを超える場合は、お使いの調理器のマニュアルをご確認の上、薄くスライスするなどの処理をしましょう。 - 低温調理器を[57℃、3時間]に設定する。
- 設定温度に達したら、お肉の入った耐熱袋を湯せんし、低温調理を開始する。
- 低温調理が終了したらお肉を袋を取り出し、キッチンペーパーで汁気を拭く。
※袋に残ったドリップは使用しない - フライパンにオリーブオイルまたはサラダ油を熱し、強火でお肉の両面に焼き色をつける。
香ばしさを加える仕上げとして、表面に焼き色がつけばOK。 - フライパンからお肉を取り出し、5分程そのまま置いて肉汁を落ち着ける。
薄くスライスしてお皿に盛り付け、完成。
業界20年のシェフが一つずつ仕上げる、とろける美味しさ|和牛シャリアピンギフト専門店YU-SETSUのご紹介
家庭用の低温調理器で作るローストビーフのレシピをご紹介しました。
低温調理器は、ローストビーフ以外にも様々な料理に活用することができますが、安全に調理するには衛生管理、温度管理が非常に大切な調理法です。
和牛シャリアピンギフト専門店YU-SETSUは、きめ細やかなサシと粉雪のようなくちどけが特徴の、雪降り和牛尾花沢のローストをご提供しているオンラインショップです。
業界20年、フレンチ一筋のシェフが、地元・山形県で育まれた食材と生産者たちの情熱を届けたい、と開発しました。
使用しているお肉は、厳しい気候の中で栄養たっぷりに育った山形県産のブランド牛・雪降り和牛尾花沢。
牛肉を一番柔らかく、美味しく調理できると言われている57℃でじっくり真空調理し、柔らかさと旨みを最大限に引き出しています。
徹底した温度・衛生管理の元、シェフが一つひとつ丁寧に調理しておりますので、お肉の中心部まで均一に火が通り、断面には雪降り和牛尾花沢特有の美しいサシを楽しむことができます。
さらに、お肉の美味しさを引き立てる特製シャリアピンソースが、お口に運んだ瞬間の幸福感を加速させます。
YU-SETSUギフト 雪降り和牛尾花沢ビーフシャリアピン ランプ
お誕生日のお祝いやクリスマス、記念日に。
ローストビーフのとろける美味しさが、特別な時間を彩ります。
ぜひ和牛シャリアピンギフト専門店YU-SETSUをチェックいただき、とびきりの尾花沢牛ローストをご賞味ください。
まとめ
真空調理は温度・衛生管理に注意が必要な調理法ですが、正しい管理のもと調理されていれば、食材の旨みと栄養素が閉じ込められ、美味しく召し上がることができます。
和牛シャリアピンギフト専門店YU-SETSUでは、寒暖差の厳しい尾花沢の自然を乗り越えた雪降り和牛のローストや、柔らかくジューシーで、オレイン酸を多く含むヘルシーなデュロック豚のローストポークを購入することができます。
特別な贈り物やご自分へのご褒美に、ぜひお取り寄せしてみてくださいね。